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子どもの考えを引き出す言葉のキャッチボール -『ティーチング』と『コーチング』の具体例

 

Hola!!

 

 

先日は『ティーチング』と『コーチング』についてそれぞれ考え方を書きましたが、

 

 

実際に『ティーチング』と『コーチング』の具体例で比較をすると分かりやすいので参考にして頂ければと思います!

まずは“ティーチングの具体例”

 

 

 

<ホームレス>

 

 

 

もし子どもと一緒に歩いている時、子どもが「あの人、何してるの?」と聞いてきたとします!

 

 

 

寒い場所に寝ているホームレスのことを聞いています!

 

親は、「シー!大きな声を出さないの!」と言って、小さな声でこう説明するかもしれません!

 

親「あれはホームレスよ」
子「それ、なあに?」
親「家がない人のことよ」
子「なんで家がないの?」
親「お金がないからよ」
子「なんでお金がないの?」
親「働かないからよ」
子「なんで働かないの?」
親「さぁ、それは・・・仕事が出来ないか、仕事が嫌いか。。」
子「じゃあ食べ物は、着るものは?」
親「拾ったり、ゴミ箱をあさったり、盗んだり。。」
子「かわいそうだね」
親「きたないし、臭いし、みんなに迷惑だし、近づかないようにね。あんな人にならないように、しっかり勉強しなさい」
これはティーチングの一例ですが、わりと普通ではないでしょうか?!

 

でも、こんな風に育てられると、子どもはどうなるでしょうか?

 

小さな子どもにとっては、親の言うことは絶対です!

 

 

 

だから、ホームレスはお金がない、働けない、働かない、きたない、迷惑、近寄ってはいけないと思い込んでしまいます!

 

 

 

小さな心の中に差別意識も生まれるかもしれません!

 

 

 

自分の周りに勉強の出来ない子がいたら、きたない格好をした子がいたら、貧乏な子がいたら、「やーい、ホームレス」などと言うかもしれません!

 

 

 

親の考え、親の言葉や偏見が子どもに大きな影響を与えることは間違いありません!

 

 

 

ティーチングでは、親の考えや意識が子どもにとって「正しい」ということになります!

 

 

 

親の考え方、偏見、価値観をそのまま引き継いでしまう可能性や危険性が高くなります!

 

 

 

子どもの質問に対して、すべて親の考える【答えを言っている】のが先ほどの一例です!

 

 

 

 

子どもにとっては、親や教師、指導者の言うことには従わざるを得ないし、そうしなければ怒られる!

 

 

 

家庭や学校、習い事の場など日本では常にそんな環境に置かれています!

 

 

 

 

それは日本の社会、教育が『ティーチング』だからです!

 

 

 

子どもたちが持っている力、可能性を最大限に引き出せる環境を作るためには、『ティーチング』の考えでは難しいと思います!

 

 

 

子どもが親や教師、指導者を超えることはなく、小さな枠におさまってしまいます!

 

 

 


 

 

次に“コーチングの具体例”

 

 

<ホームレス>

 

 

もし子どもと一緒に歩いている時、子どもが「あの人、何してるの?」と聞いてきたとしよう。

 

 

寒い場所に寝ているホームレスのことを聞いている。
*先ほどの場面と同じ場面です。

 

 

 

子「あの人、何してるの?」
親「さぁ、何をしているんだろうね」
子「寝ているのかな」
親「そうかもしれないね」
子「なぜ、あんなところで寝てるの?」
親「さぁ、なぜだろうね」
子「なぜ家に帰らないのかな」
親「さぁ、なぜだろう」
子「ここが好きなのかな、家が遠いのかな」
親「そうかもしれないね」

 

 

ティーチングに慣れた人にはじれったいかもしれません!

 

 

でも、これがコツなんです!

子どもが自分で考え、理解することが大切であり、そのための時間が必要なのです!
 子「もしかしたら家がないのかなぁ」

親「そうかもしれないね」

子「なんで家がないの?」

親「なぜだろうね」

子「家が壊れたんかな。家事で焼けたんかな」

親「そうかもしれないね」

子「なぜ新しい家を買わないの?」

親「なぜだろうね」

 

 

コーチングは、親の考えの押しつけでなければどんな展開でもいいというものです!

基本は「なぜだろうね」「なぜだと思う」で大丈夫です! 

なにしろ『正解』はないのだから!

 

コーチングは相手の理解、考え、気づきを大切にすることが基本だから、答えを急がなくても良いという考え方です!

 

子どもの発する言葉によっては、こんな展開もあるかもしれません!

 

 

子「お金がないのかもしれないね」

親「そうかもしれないね」

子「なぜお金がないの?」

親「さぁ、なぜだろうね」

子「お金がなくなっちゃったのかな。盗まれちゃったのかな」

親「そうかもしれないね」

子「じゃあ働けばいいのにね」

親「そうだね」

子「なぜ働かないのかな」

親「なぜだろうね」

子「働くのが嫌いなのかな」

親「そうかもしれないね」

 

 

状況によってはこんな風に問いかけてもいいのではないでしょうか!

 

 

親「他にどんなことが考えられるかな?」

子「働く所がないのかもしれないね」

親「そうかもしれないね。もしそうならどうすればいいだろう」

子「なにか助けてあげられないかな」

親「一緒に考えてみようか」

 

 

コーチングではこのように、こちらが「どう思う?」「どうすればいいと思う?」と投げかけることで、相手の考えを深めていくことが重要である。

 

対話によって考えが深まり、考えが広がっていく。

 

「これが正解」「これが正しい」というものはないから、言葉のキャッチボールによって、こちらも相手も共に考えを深め、広げていくことかできる。

 

 

子どもとの会話の中で、ドッチボールのような言葉かけになってしまう場合も意外と多いと思います!

 

ドッチボールは相手を倒すためにボールを投げます!

 

同じように、子どもを倒すために言葉をぶつけてしまっていることはないでしょうか?

 

自分のことより、受け取る相手のことを考えて、言葉のキャッチボールをするつもりで言葉かけをすることで、言葉のやりとりがスムーズになります!

 

「忙しくてそんなに悠長なことをしている暇はないです」

 

という気持ちはとても理解できます・・・

 

ただ、10歳になるまでにこうした言葉かけをやっておけば、子どもの自主性やコミュニケーション能力が育ち、しだいにいちいち言わなくても自分から色々なことを取り組むようになります!

 

こういった言葉のキャッチボール(コーチング)を実践するには、時間にも心にもゆとりが必要になります!

 

気が付いた時だけでもいいので、是非こういった対話をしてみてください♪

 

自分では思いつかない発想を子どもから生まれてくるかもしれません!

 

そして逆に質問をしてくるようになり、自分自身も考えさせられるような対話に発展していくと思います!

 

子どもたちの可能性を引き出すために、これからの時代を生き抜くために必要な『自主性』と『コミュニケーション能力』を高めるために、子どもとの会話を楽しみながら是非実践してみてください♪

子どもたちの未来のために、みんなで学び成長していきましょう!

tenTEN 『子は宝』

tesoro()esperanza(希望)  niño(子ども)

adios!!